トップ 活動報告・教育 研究領域のご紹介
研究領域のご紹介(50音順)
※教員から寄せられた原文のまま掲載しております。
教員氏名 |
職位 資格 |
研究領域 | 研究内容 | 主な著作・論文 |
淺野 敬子 アサノ ケイコ |
講師
臨床心理士、公認心理師
|
臨床心理学 被害者支援 トラウマケア |
大学(法学部)で「被害者学」を学んだことをきっかけに、犯罪被害者の支援に携わりたいと考えるようになり、心理士(師)になりました。臨床では、主に女性の被害者の方のカウンセリングやトラウマに焦点化した認知行動療法である持続エクスポージャー療法を行ってきました。 研究では、急性期性暴力被害者の支援と回復について調査研究を行っています。研究や臨床を通じて、被害者の方が二次被害を受けることなく回復をすすめられる社会を築くことに、貢献していきたいと考えています。 |
淺野敬子, 正木智子, 今野理恵子, 山本このみ, 平川和子, 小西聖子:性暴力被害者のためのワンストップ支援センターから精神科へ紹介された被害者の実情と治療の課題,トラウマティック・ストレス15(1), 59-68, 2017、淺野敬子, 平川和子, 小西聖子:性暴力被害者支援の現状と課題 : ワンストップ支援センターと精神科医療の連携に関する報告から, 被害者学研究 (26), 37-52, 2016、淺野敬子, 中島聡美, 成澤知美, 中澤直 , 金吉晴, 小西聖子:急性期性暴力被害者のための支援情報ハンドブックの有用性評価, 女性心身医学 21(3), 325-335, 2016等 |
大山 みち子 オオヤマ ミチコ |
名誉教授 臨床心理士、公認心理師 |
臨床心理学-心理療法 | 心理療法の実践:対話による精神分析的心理療法を多く用いています。イメージ体験と系統的脱感作を併用したイメージ分析療法、これに関連する催眠・自律訓練法も領域となります。対象は個人の他家族、スモールグループの面接にも力を入れています。これまで公的機関や総合病院でデイケア、心理検査、心理療法等を経験し、その後、矯正施設で、非行・犯罪をおかした人々の査定・処遇にかかわり、サイコドラマ、グループディスカッション、家族面接も行いました。また機会を得て、被害者の心理的支援に携わり、現在の中心的活動のひとつとなっています。この他、開業の場で、強迫症状や職場・家庭での悩み等を抱える方々を受け持っています。話題として、認知的な偏りや夢等、状態に合わせて組み込んでいます。ブリーフサイコセラピー、東洋思想と心理療法の関わり等も領域となります。 | 「カウンセラーのためのガイダンス」(共著)ブレーン出版、「子どものトラウマと心のケア」(共著)誠信書房、「犯罪心理臨床」(共著)金剛出版、「児童虐待へのブリーフセラピー」金剛出版(共著) |
菊池 安希子 キクチ アキコ |
教授 臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士 |
臨床心理学、司法犯罪心理学、認知行動療法、EMDR | 被害・加害の臨床心理学に関心を持っています。大学や医療機関などで心理療法士として被害者のトラウマケアに関わった後、この20年近くは主に精神病の影響のもとで重大な事件に至った方々に対する専門的処遇を行ういわゆる医療観察法(正式名称:心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)に関連した臨床や研究を行ってきました。被害者から加害者の臨床にも関わるようになって最初は戸惑いましたが、両方の視点を持つことの重要性も実感するようになりました。主な実践アプローチは、認知行動療法、EMDR、ブリーフセラピーです。医療観察法に関わった経験から、近年は、統合失調症の認知行動療法や、暴力のリスクアセスメントに関連した研究を行っています。 | 「認知行動療法とブリーフセラピーの接点」(共著,日本評論社,2014)、「事例で学ぶ統合失調症のための認知行動療法」(共編著.金剛出版,2019)、「精神科臨床とリカバリー支援のための認知リハビリテーション-統合失調症を中心に」(共著,北大路書房,2020)、司法精神科病棟の機能分化:英国Dangerous and Severe Personality Disorder(DSPD)事業からの示唆(日本社会精神医学会雑誌,2021)、Validity of Short-Term Assessment of Risk and Treatability in the Japanese Forensic Probation Service(Frontiers in Psychiatry, 2021) |
小西 聖子 コニシ タカコ |
教授 精神科医、臨床心理士、公認心理師 |
トラウマ・ケア 精神保健 |
1993年に被害者の方のお話を聞くようになって以来、トラウマ、被害に関する心理的支援が私の一番の関心ごとですが、仕事を進めるにつれ、そこから広がる学際的な被害者の回復に関する領域、すなわち医学的、心理学的、社会学的、法的な分野にまたがる広範な問題を扱う必要にせまられてきました。教育、臨床、研究、支援活動、ときには政策決定の議論などにもかかわるようになって多忙な毎日を過ごしています。自分自身、精神科医であり、臨床心理士でもあり、どちらの臨床もやっているので、双方の共通点や違いにも気付かされることが多いです。PTSDやgriefに関する専門的な臨床技法を多くの方に知ってもらいたいと思っています。 | 「犯罪被害者の心の傷」(白水社)、「犯罪被害者遺族」(東京書籍)、「ドメスティック・バイオレンス」(白水社)、「二次的外傷性ストレス」(翻訳・誠信書房)、「犯罪被害者のメンタルヘルス」(編著・誠信書房)、「ココロ医者、ホンを診る」(武蔵野大学出版会)、「新版 トラウマの心理学」(NHK出版)、「犯罪被害者のメンタルヘルス」(編集・誠信書房)、「性暴力被害者への支援」(共編著・誠信書房) |
今野 理恵子 コンノ リエコ |
非常勤講師 臨床心理士、公認心理師 |
臨床心理学 トラウマケア 認知行動療法 |
臨床および研究で取り組んでまいりましたのは、犯罪被害者などに対するトラウマケアです。臨床活動としては、医療機関や心理臨床機関において、トラウマに対する認知行動療法である持続エクスポージャー法、認知処理療法を使用し、PTSD患者の方の回復を目指しています。その中で、認知行動療法への導入と継続を研究テーマのひとつとして行い、より多くの方を認知行動療法へつなげたいと考えております。また、認知行動療法を行う人材育成に関して、初学者の治療効果と課題についての研究を行い、認知行動療法の普及の一助となればと思っております。 | 「急性期と慢性期の性暴力被害者の臨床における実態と今後の治療における課題」女性心身医学 第21巻第3号、「急性期性暴力被害者向けプログラムの開発-診療の補助としてのWEBプログラムの作成」武蔵野大学 「人間科学研究所年報」第7号、「見えにくい女性のトラウマについて」更生保護 平成27年8月号 |
佐々木 洋平 ササキ ヨウヘイ |
助教 臨床心理士、公認心理師 |
臨床心理学 | 主に医療機関や研究機関でうつ病、過敏性腸症候群、慢性疼痛に対する認知行動療法を学び、実施してきました。精神科に通院されている方々への集団認知行動療法も行なってきました。同時に、一人ひとりの患者さんが経験している状況に応じ、さまざまな専門家が連携する重要性を学びました。認知行動療法の効果検証や普及・実装、社会認知機能(他者の気持ちなどを理解する働き)などの研究チームに参加してきましたが、自身の研究としては、ひとの「感情」の受け止め方や感情が悩みの一部となる仕組みを解明することに取り組んでいます。臨床と研究は別のものではなく、過去から学び、目の前の患者(相談者)さんにより良い支援を提供し、未来の患者(相談者)さんの役に立つ科学的知見を蓄積する密接な関係を持つものであることを伝えていければと思っています。 | 「Development of the Japanese Version of the Beliefs about Emotions Scale」(Japanese Psychological Research)、「強化感受性理論の研究動向と展望」(心理学研究 第94巻 第4号)「こころの傷つき体験をしたあなたのためのワークブック・ワークシート(第2版)」(武蔵野大学心理臨床センターホームページ トラウマ支援コンテンツ)、「うつ病に対するブレンド認知行動療法を活用した遠隔精神医療」(精神療法増刊第7号) |
城月 健太郎 シロツキ ケンタロウ |
教授 臨床心理士、公認心理師 |
不安障害 うつ病 ストレス性疾患 認知行動療法 |
これまでに,医療機関でのカウンセリングを中心に,心理臨床活動を行ってきました。主として臨床および研究活動で行ってきたのは,社交不安障害(人前での過度な不安・緊張)に対する認知行動療法や,そのメカニズムの解明です。個人心理面接の実施を行うことも多いですが,集団療法についても取り組んでいます。 そのほかにもパニック障害・強迫性障害などの不安障害に関する心理療法や,うつ病の認知行動療法・休職者の復職支援などに取り組んできました。また,医療機関での活動だけでなく,不登校児童生徒・家族とのカウンセリングや,発達に関わる問題についてのSSTも実践してきました。認知行動療法的なアプローチを取ることが多いですが,お一人お一人によってご事情もさまざまですので,カウンセリングの際はじっくりお話をお伺いすることを心がけています。 | 「社交不安障害における個人認知行動療法プログラム」(2012 風間書房)・「The effects of cost bias on social anxiety and depression symptoms.」(International Journal of Cognitive Therapy, 2012)・「ビデオ観察と認知的介入からなるビデオフィードバックがスピーチ課題の自己評価に与える影響」(認知療法研究,2011) |
春原 由紀 スノハラ ユキ |
名誉教授 臨床心理士 |
児童・母親臨床 心理劇 カウンセリング |
相談室を訪れる親や子どもたちにセラピストがどのようにかかわっていくと、親子関係や家族関係が変化し、「問題」とされる行動に変容がみられるかを課題に、子ども相談部門のスタッフたちと臨床実践研究を進めている。特に虐待的関係がうかがえる母子への援助や、DVに曝された母子への支援としての「母子同時並行グループプログラム」の実践研究に力を注いでいる。また、親子関係に直接的に介入し、新たな関係を創造していくPCIT(親子相互交流療法)を取り入れた臨床実践を重ね、その効果を明らかにする研究も進めている。 | 「幼児期の人間関係における問題とその指導」(保育・幼児教育シリーズ人間関係川島書店1994)、「精神病院における心理劇」(人間関係学、関係学研究所1991)、「Abuse(虐待)を課題とする母親とのグループカウンセリング」(人間関係学研究 第8巻1号2001)「保育者は幼児虐待にどうかかわるか」(大月書店2004)「子ども虐待としてのDV」(星和書店、2011) 、「キーワード 心理学シリーズ6 臨床」(新曜社2016) |
辻 惠介 ツジ ケイスケ |
教授 精神科医、臨床心理士、公認心理師 |
司法精神医学 精神病理学 |
精神病理学と司法精神医学が専門ですが、犯罪心理学や精神鑑定の専門家と言った方が、通りがよいかも知れません。専門領域を尋ねられ、犯罪です、とか、殺人です、などと答えるようになってかなり経ちます。以前は、相手の戸惑う様子に、多少意地の悪い楽しさを覚えていたのですが、いつの間にか、ごく自然に口に出るようになってしまいました。犯罪の手口を熟知するくらいならまだしも、○○刑務所の食事が美味いとか、□□警察署の留置場の風呂が広いとか、妙なことに詳しくなり、家族にも医者扱いされませんが、今でも週に一度は精神科病院で白衣を着ています。家裁の医務官や企業の顧問医、被害者支援センターの理事、保護司選考会委員などもしており、刑事のみならず民事・家事も手掛けています。 | 「犯罪心理学を学ぶための精神鑑定事例集」(青山社)、「[改訂版]精神保健の基礎と実際」(文化書房博文社・共編著)、「発達障害とキャリア支援」(金剛出版・共編著)、「Panic disorder cases in Japanese-Brazilians in Japan:Their ethnic and cultural confusion」(Psychiatry and Clinical Neurosciences 55)、「分裂病者の攻撃性の臨床精神病理学的研究-緊急措置入院症例の追跡調査から-」(精神神経学雑誌101) |
出野 美那子 デノ ミナコ |
准教授 臨床心理士、公認心理師 |
臨床心理学、児童臨床、遊戯療法、発達精神病理学 |
臨床実践としては、主に福祉領域および教育領域に携わってきました。福祉領域においては、児童養護施設の心理職として、心理的支援 (主に遊戯療法) を行ってきました。教育領域においては、小中学校のスクールカウンセラーとして不登校児童生徒および保護者をはじめとする、様々な行動や疾患への支援を行なってきました。 このような実践経験から、精神疾患の好発時期である青年期において、精神疾患および様々な問題行動が発現するリスク因子や保護因子について研究を行っています。 |
公認心理師カリキュラム準拠 臨床統計学. (2021, 共著, 医歯薬出版). 基礎から学ぶ心理療法. (2018, 共著, ナカニシヤ出版). ベーシック発達心理学. (2018, 共著, 東京大学出版会). The influence of alexithymia on psychological distress with regard to the seriousness of complicated grief and the time since bereavement in the Japanese general population. (2013, Journal of Affective Disorders) |
中山 千秋 ナカヤマ チアキ |
講師 臨床心理士、公認心理師 |
臨床心理学、トラウマケア、認知行動療法、症状評価 |
これまで主に被害者支援やトラウマケアの領域で、臨床と研究を行ってまいりました。被害者の回復に向けた支援を行う中でトラウマケアの必要性を感じ、カウンセリングや認知行動療法を実践しております。 研究では、トラウマ及びグリーフ(悲嘆)の認知行動療法に関する研究に参加しています。有効な心理療法を検証し、必要な方につなげられていくことを目指しております。また臨床研究では症状に関するアセスメント(症状評価)が非常に重要となりますが、例えば治療前後の症状の変化を適切に評価することなど、症状評価についても研究テーマとして取り組んでいます。 |
主な著作・論文: 「被害者支援施設と精神科医療機関等との連携-PTSD治療の視点から-」 被害者学研究 第31号 2022年 「親との死別と悲嘆への適応プロセス-中年期以降における死別の分析から-」武蔵野大学心理臨床センター紀要 第19号2019年 |
中島 聡美 ナカジマ サトミ |
教授 精神科医、 臨床心理士、公認心理師 |
精神医学(トラウマ関連疾患、遷延性悲嘆障害)、グリーフケア、被害者学 | いばらき被害者支援センターの発足(1996年)に関わるようになったことがきっかけで、犯罪被害者の方の支援に取り組むようになりました。そこから、犯罪被害者の方の抱える精神的問題―PTSDや遷延性悲嘆障害の病態や治療の研究に携わっています。2019年から、武蔵野大学の認知行動療法研究所で上記の疾患の認知行動療法の治療や研究を行っています。特に、グリーフケアについては、犯罪被害、災害、自死などの突然の死別だけでなく、がんなどの病気による死別のご遺族のニーズも高い領域です。現在、認知行動療法研究所で、遷延性悲嘆障害に対する個人治療である日本版複雑性悲嘆療法(J-CGT)と集団認知行動療法(ENERGY)の開発と有効性の検証を行っています。 | <論文>Nakajima S:Complicated grief: recent developments in diagnostic criteria and treatment. Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci. 373(1754), pii: 20170273,doi,10.1098/rstb.2017.0273, 2018. 中島聡美:加害者の関係性が性暴力被害者のメンタルヘルスおよびhelp―seeking behaviorsへ与える影響等,被害者学研究29,103-109, 2019.等 |
野中 俊介 ノナカ シュンスケ |
准教授 臨床心理士、公認心理師 |
臨床心理学、認知行動療法、不登校、ひきこもり | 民間の相談機関のカウンセラーやスクールカウンセラーとしての活動を含めて,主に不登校やひきこもりに関する取り組みをしてまいりました。特に,認知行動療法的アプローチを用いて,不登校やひきこもりの背景にある心理的プロセスや,心理社会的な改善プロセス,そしてそれらの個人差を明らかにすることを目指しています。また,同様の観点から,ひきこもり状態にある人のご家族への心理的支援に焦点を当てた研究と実践を行っています。研究から得られた知見を実践に生かし,実践から得られた課題を研究によって明らかにするような相互作用を目指していきたいと考えています。 |
主な著作・論文 「CRAFT ひきこもりの家族支援ワークブック―若者がやる気になるために家族ができること」(共著,金剛出版)、「ひきこもり状態にある人の親に対する集団認知行動療法の効果―Community Reinforcement and Family Trainingを応用した試行的介入―」(共著,精神医学)、「Individuals with Hikikomori and their Families’ Cognitive Behavioral Factors: A Prospective Study」(共著,Current Psychology) |
成澤 知美 ナリサワ トモミ |
助教 臨床心理士、公認心理師 |
トラウマケア、被害者支援、がんサバイバーシップ、認知行動療法 | 臨床実践としては、犯罪被害者支援におけるトラウマケア、グリーフケア、精神科クリニックにおけるうつ、不安、発達障害、人格障害に対する認知行動療法を中心とするカウンセリング、学生相談における支持的カウンセリングなどを行ってきました。この中でも特にトラウマケアに関心があり、研究では犯罪被害後の心理社会的支援やトラウマケア、グリーフケア、がんと診断された後の心理的負担の軽減などのテーマに携わってきました。トラウマやグリーフのケアは、それを必要としている方に現状では十分に届けられていないという課題があります。臨床や研究を通して、必要なケアを必要な方に届けるという課題に取り組んでまいりたいと考えています。 |
看護師・コメディカルのための医療心理学入門(2016, 共著, 金剛出版) 看護と倫理・患者の心理(2018, 共著, メヂカルフレンド社) Impact of peritraumatic distress on posttraumatic stress disorder symptoms at 6 months after acute coronary syndrome: a prospective cohort study. (2021, European Journal of Psychotraumatology) |
野口 普子 ノグチ ヒロコ |
准教授 臨床心理士、公認心理師、看護師 |
これまで、心理臨床機関でカウンセリングや、トラウマケアなどに携わってきました。研究領域としては、看護師経験もあるので身体外傷や身体疾患を持つ人のメンタルヘルスに関心があります。心理的支援の実践のほか、ライフスタイルが心身の健康に及ぼす影響についても研究を行っております。 | 「看護師・コメディカルのための医療心理学入門 」(2016, 金剛出版, 共編著)、「看護学入門6巻 基礎看護Ⅱ 基礎看護技術」(2021,メヂカルフレンド社, 共編著)、「通信教育課程の大学生のCOVID-19流行後の大学生活満足度と学習意欲、生活習慣について」(2022, 人間学研究論集 武蔵野大学通信教育部編) | |
藤森 和美 フジモリ カズミ |
名誉教授 臨床心理士、公認心理師 |
臨床心理学 災害臨床心理学 学校への緊急支援 |
1993年の北海道南西沖地震を体験し、災害を体験した子どもたちの心のケアに取り組み、その後の阪神・淡路大震災では教師向けの「危機介入ハンドブック」を兵庫県教育委員会に提供しました。 心の傷(トラウマ)を受ける体験は、自然災害だけではなく、いじめや性的被害、家庭の不和、虐待など、子どもたちの生活の中に潜んでいることを提唱し、予防的教育啓発活動、臨床ならびに実証的研究に取り組んでいます。 また、犯罪や事故の被害者に対する心理的支援を実践しながら、心理支援の専門家養成にも力を入れ、被害者を取り巻くさまざまな関係組織のコラボレーションの必要性についても論じています。特に、子どもへの事件事故被害後の緊急支援活動は、システム作りからチームを育成に積極的に関わっています。さらに子どもの性暴力被害に対する回復に関わる専門的支援者の育成に携わっています。 |
学校トラウマの実際と対応 児童・生徒への支援と理解」(編著・2020・誠信書房)、「くらしの中の心理臨床 トラウマ」(共編著・2016・福村出版)、「子どもの性暴力被害 その理解と支援」(共編著・2013・誠信書房)、「大災害と子どものストレス 子どものこころのケアに向けて」(共編著・2011・誠信書房)、「学校安全と子どもの心の危機管理」、「学校のトラウマと子どもの心のケア 実践編」、「子どものトラウマと心のケア」、「被害者のトラウマとその支援」(誠信書房)、「心のケアと災害心理学」(芸文社)、「悲嘆の心理」、「対人心理学の最前線」(サイエンス社) |
矢澤 美香子 ヤザワ ミカコ |
教授 臨床心理士、公認心理師 産業カウンセラー |
産業・組織心理学 臨床心理学 認知行動療法 |
臨床領域では、これまで医療機関でのカウンセリングや企業、EAP機関での心理相談、コンサルテーション、教育・研修などに携わってきました。そうした実践から、労働者の産業メンタルヘルスやキャリア支援、ワーク・ライフ・バランスの問題などに関心を持つようになり、現在、主な研究テーマとなっています。特に認知行動療法にもとづくアプローチに着目して、研究、教育、臨床実践を行っています。その他、摂食障害に見られる食行動異常やボディイメージ、また、外見変容や装いに関する心理的問題についても研究を行っています。 | 「役立つ!産業・組織心理学」(2020, ナカニシヤ出版,共編著)、「社会人のためのキャリア・デザイン入門」(2016, 金剛出版)、「基礎から学ぶ心理療法」(2019,ナカニシヤ出版,編著)、「装いの心理学」(2020, 北大路書房,共著)「産業心理臨床における認知行動療法の動向-職場復帰支援の現状と課題をもとに」(2020,武蔵野大学認知行動療法研究誌,創刊号) |