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一緒にトラウマについて知ろう

本ページは、なるべく多くの皆様に、こころの傷つき(トラウマ)に関することを知っていただき、「トラウマについての知識と対処法」を身に着けていただくきっかけとなることを願って作成いたしました。
 
私たちは誰も、自分の大切な人がトラウマ体験に遭うことを望みません。そして、誰一人としてトラウマ体験に遭うかどうかを予測することもできません。このようなことが起こってしまった場合、一日でも早く、大切な人に回復してもらうためには、一人でも多くの方にトラウマについての知識や言葉をより深く知っていただくことが必要です。
 
それが、日常生活の中でトラウマの影響を受けている人々を早期発見・介入し、再び安心で安全な生活を取り戻すことに繋がると考えているからです。トラウマは確かに私たちに大きな影響を与えますが、適切に対処していくことでその影響を和らげることもできるのです。
 
そのためには、何かが起きてからトラウマの知識を学ぶのではなく、できれば避難訓練のように、いざという時の対処法を事前に身につけておくことも役に立ちます。

※本ページに掲載しているトラウマ支援コンテンツは、「有末その子記念奨学基金」より作成しております。
初めてトラウマ支援に携わる方や支援者を目指している方へ

初めてトラウマ支援に携わる方や支援者を目指している方へ

初めてトラウマに触れる方にとっては、トラウマ体験の話を聴くだけ、もしかしたらトラウマ体験が身近なところで起きているという事実を知るだけでも大きな影響を受けるかもしれません。
 
トラウマに触れると、嫌だ、怖い、触れたくないなどのイメージを伴う方もいらっしゃるかもしれません。これはとても自然な反応ですし、トラウマという言葉が持つイメージは人それぞれ異なります。
 
今、あなたが初めてトラウマについて心理教育をすることになったら、「心理教育って具体的に何をするの?」「何からやるのが正解なの?」「簡単そうに見えて難しい」などの様々な不安が生じてくることでしょう。このような不安は、初学者だけでなく支援者であれば誰でも感じるものです。
 
心理教育は、トラウマの言葉や支援の考え方も理解して、その人の状態に合わせて簡潔にわかりやすく、相手に役立つように実施します。支援者として、心理教育を適切に行うためには、トラウマの知識だけでなく心理臨床のアセスメントや技法の習得も必要となりますが、最初の一歩は何かを参考に真似てみることも役に立つでしょう。
 
「心理教育は必ずこの順番で実施する」という明確なルールはありません。この「こころの傷つき体験をしたあなたのためのワークブック」は私たちの経験に基づいて作成したものであり、私たちなら利用者の安全性を考えてこの順番で実施するということを一つのモデルにしています。
 
トラウマの心理教育を初めて実施される方は、まず、ワークブックの順番どおりに進めてみてください。トラウマ支援で必要な知識を得て、あなたが今持っている知識を実践で生かし、難しいと思っていた問題に対処する際の一つの支えになれば幸いです。
 
そして、あなたがトラウマの心理教育に慣れてきたら、あなたの判断でワークシート等を適宜ご利用し、クライエントの状態像に合わせて心理教育の際に活用していただければと思います。
 
私たち一人一人の手には限りがあって、どこまでも伸ばせません。だからこそ、私たち一人一人がトラウマの影響を受けている人に気づき、適切な心理教育を行うことで、傷ついた人々がエンパワメントされる場が増えていくことを願っています。
安心で安全なトラウマ臨床教育の工夫

安心で安全なトラウマ臨床教育の工夫

初学者・支援者双方の再トラウマを予防し、安心で安全なトラウマ臨床教育の工夫

トラウマは、人間のみならず、組織にも大きな影響を与えます。また、今まで積み上げてきた知識や努力では乗り越えることが難しいと感じるほどの壁にぶつかることもあるでしょう。このような時に、組織がトラウマの影響を受け、対処せずにいると、支援者は周囲に助けを求めることもせず、孤立する可能性が高くなります。
 
私たちはすぐに大きな問題を解決する力は持っていませんが、今自分ができる小さなことから自分の意思で決定し、行動を少しずつ積み上げて、仲間と価値観や対応策について対話を重ねていくことはできます。
 
トラウマにより、先行きが不透明な状況となり、進む道がわからなくなる時もあるかもしれません。どんなに波が荒れて困難な状況でも、その目的地を見失わないように航路を守り、しっかり舵をきることは管理職の務めです。それが、支援者自身が安心して自分の力を発揮できる環境を作りには欠かせません。
 
そして、トラウマは当然管理職にも影響を与え、判断に迷い、間違った方に判断することもあるでしょう。安全な環境とは、初学者だけでなく、上司も先生も先輩も含めて失敗したときに守られる文化を作ることです。
 
もちろん、組織の方向性に反した行動や約束を守らない人には行動を修正してもらう必要がありますが、ミスが生じた時には個人の問題ではなくその仕組みそのものが間違っていることも少なくありません。まずはその仕組みを見直してみるという視点が大切です。
 
このようなプロセスが、組織を良い方向へ変え、強いチームワークを作り、利用者も支援者も、そしてその組織で学ぶ初学者にとっても「安心で安全」な組織となり、再トラウマを予防し、支援の効果を最大限発揮できる場を維持していくのだと思います。
トラウマ支援コンテンツのご利用について

トラウマ支援コンテンツのご利用について

本ページに掲載しているトラウマ支援に関するコンテンツは、なるべく多くの皆様にトラウマに関する言葉を学んでいただき、「トラウマについての知識と対処法」を身に着けていただくきっかけとなることを願って、ダウンロード・印刷は無料使用といたしました。パスワードをかけていない教材については、事前連絡なしに、ご自由にダウンロードしていただき無料でご利用していただいて結構です。
 
ただし、下記の3つについてはご理解の上でご使用ください。
 
1.動画・ワークシートの加工・改変は禁止です 
ご利用の際は、画像の内容は変更せずにそのままご利用ください。制作者の許可なく内容を一部加工したり改変して使うのは禁止です。ご事情がある場合には、事前にご相談ください。 
 
2.商用利用禁止です 
有料コンテンツの一部として使うのは禁止です。また、有料商品への販促に使用するのも禁止です。*商用利用に適用されるか判断に迷う場合は、ご連絡ください。 
 
3.著作権について 
著作権は放棄していません。転売や再配布は禁止しております。 ただし、支援者や教員の方が利用者さんや学生さんに「トラウマの知識を身に着けてもらう」目的(心理教育)で印刷したものを配布する場合や学校等のホームページへの当サイトのリンク掲載につきましては、特に許可の必要はありません。ぜひご活用ください。
 
*本ページに掲載しているトラウマ支援コンテンツは、「有末その子記念奨学基金」より作成しております。
 
問い合わせ先
trauma.education.contents@gmail.com